調査ポイント|都市計画区域外でも確認事項は多数。土地改良区・水路・排水まで調査【中富良野町 土地】

中富良野町 カントリーサイン
  • ご依頼内容:宿泊施設の建築計画に伴う事前調査
  • 調査エリア:中富良野町
  • 物件種別:土地
  • ご利用プラン:役所調査

今回は、道外の建築業者様より、中富良野町で計画されている宿泊施設の建築にあたり、事前の役所調査をご依頼いただきました。

建築予定地は、北海道らしい田園風景が広がるエリアにある宅地です。

「都市計画区域外だから、建築に関する規制はそれほど多くないのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、実際に調査を進めてみると、景観・道路・水路・排水、さらには土地改良区まで、確認しなければならない項目が次々と出てきました。

今回の調査は、地方の土地で建築計画を進める際の「役所調査の重要性」がよく分かる事例となりました。

ファーム富田のラベンダー

中富良野町は、北海道のほぼ中央、富良野盆地に位置する自然豊かな町です。

農業を中心に発展してきた地域で、十勝岳連峰を背景に広がる田園風景やラベンダー畑など、美しい景観が大きな魅力となっています。

特に「ラベンダーのまち」として知られ、全国的にも有名なファーム富田がある町です。

札幌市中心部から中富良野町までは、ルートにもよりますが約130km、車で約3時間

今回の建築予定地も、周辺に田畑が広がる、まさに北海道らしい田園風景の中にありました。

今回の対象地は都市計画区域外に位置しています。

都市計画区域内の土地と比較すると、用途地域など都市計画法上の規制が少ないことから、

「都市計画区域外なら建築の制限も少ない」

というイメージを持たれることがあります。

確かに都市計画上の制限は比較的少ないのですが、だからといって自由に建築できるという意味ではありません。

建築する建物の用途や規模、土地の状況などによって、

  • 建築基準法
  • 景観法、景観条例
  • 道路関係の規制
  • 排水に関する規制
  • 浄化槽に関する手続き
  • 水路に関する手続き
  • 土地改良施設に関する手続き

など、さまざまな法律・条例・行政手続きが関係してくる可能性があります。

今回の対象地は農地ではありませんでしたが、周囲には農地が広がっています。

そのため、一般的な宅地の調査だけではなく、農業地域特有のインフラについても確認する必要がありました。

中富良野町役場

中富良野町では、美しい自然環境や田園景観を将来へ引き継ぐため、景観に関する取り組みが行われています。

町の景観条例は中富良野町全域が適用区域となっています。

そのため、都市計画区域外だからといって、景観について何も確認しなくてよいわけではありません。

建築物の規模や形態、計画内容などによっては、景観計画や届出の対象となるかどうかを確認する必要があります。

特に宿泊施設などの建築計画では、建物そのものだけを見るのではなく、その土地にどのような地域独自のルールがあるのかを事前に確認することが重要です。

中富良野町役場

今回、特に重要な調査ポイントとなったのが、対象地と道路との間にある水路でした。

現地を見ると、道路沿いに側溝のような水路があります。

調査したところ、この水路は町が道路側溝として管理する一方、周辺農地との関係から農業用の排水路としての機能も持っていることが分かりました。

宿泊施設を建築するためには、道路から敷地へ車両が出入りできるようにする必要があります。

そのため、水路部分をどのように横断するのか、どのような手続きが必要になるのかについても確認しなければなりません。

ここでさらに関係してきたのが、「土地改良区」です。

土地改良区とは、農業に必要な用水路・排水路・農道などの土地改良施設を維持・管理するため、農業者などによって組織される団体です。

農業地域では、道路や水路だけを見て「町の施設だろう」と判断することはできません。

地上からは普通の道路や側溝に見えていても、その地下に土地改良区が管理する農業用施設が埋設されているケースがあります。

そのため、周囲に農地が多い土地を調査する際には、

「土地改良区が管理する施設はないか」

という視点も重要になります。

今回、土地改良区への調査を行ったことで、重要な事実が判明しました。

道路沿いの水路と本地の間に、土地改良区が管理する農業用水路(パイプライン)が埋設されていたのです。

外から土地を見ただけでは分からない地下の施設です。

建築工事や敷地への乗入れ工事などを行う際、このような土地改良施設が関係する場合には、その位置や施工方法などについて事前の確認が必要になります。

今回の計画では、内容によって「財産使用承認申請」などの手続きが必要になる可能性があることも確認できました。

もし土地改良区への調査を行わずに建築計画を進めていれば、設計や工事の段階になって初めて地下のパイプラインの存在が分かる、ということも考えられます。

「地上に見えているものだけが調査対象ではない」

ということがよく分かる事例です。

もう一つの重要なポイントが排水です。

今回の対象地周辺は、公共下水道が未普及のエリアでした。

そのため宿泊施設から出る汚水については、浄化槽の設置を前提として計画を検討することになります。

しかし、浄化槽を設置すればそれで終わりではありません。

重要なのが、

「浄化槽で処理した水を、どこへ放流するのか」

という問題です。

今回のケースでは、道路沿いの水路を放流先として利用することが想定されるため、町への確認を行いました。

その結果、放流方法や施工内容によっては、町が管理する道路・水路に関係する道路占用許可等の手続きが必要になることも確認しました。

建築そのものの規制だけを調べていては、ここまで確認することはできません。

今回の調査で特に印象的だったのは、道路沿いにある一つの水路から、複数の確認事項が出てきたことです。

一見すると単なる「道路側溝」。

しかし調べていくと、

町が管理する道路・側溝

農業用排水路としての機能

地下には土地改良区管理の農業用水パイプライン

敷地への乗入れ工事に伴う手続きの確認

浄化槽処理水の放流先としての確認

道路占用等の許可の確認

と、調査範囲が広がっていきました。

これが役所調査の難しいところでもあります。

ひとつの窓口で「問題ありません」と言われたからといって、それですべての調査が終わるとは限りません。

「この施設は誰が管理しているのか」
「ほかの用途にも使われていないか」
「別の管理者はいないか」

と、一つひとつ掘り下げて確認していくことが重要です。

今回の調査では、

都市計画区域外だから規制が少ない=調査も簡単

というわけではないことが改めて分かりました。

特に北海道の地方部では、都市部とは異なり、

農地、農業用水路、土地改良施設、道路側溝、浄化槽、井戸、排水など、その地域ならではのインフラや管理関係が建築計画に影響することがあります。

今回も、対象地そのものは農地ではありません。

それでも周囲が農業地域であることから土地改良区への確認を行い、その結果、地下に農業用水パイプラインがあることまで把握することができました。

建築計画では、土地を購入した後や設計を進めた後に問題が分かると、計画変更や追加工事、スケジュール変更につながる可能性があります。

だからこそ、計画の初期段階で「その土地で何を調べるべきなのか」を整理することが重要です。

北海道は広く、札幌から中富良野町へ向かうだけでも片道約130km。

道外の建築会社様や不動産会社様にとって、建築予定地の役所調査や現地確認のためだけに北海道へ出張することは、時間的にもコスト的にも大きな負担になります。

北の物調では、北海道内の土地・建物について、

「建築計画を進める前に行政上の規制を確認したい」
「役所の各担当窓口を回って調査してほしい」
「道路や水路、上下水道などの状況を確認してほしい」
「現地の状況も合わせて確認してほしい」

といったご依頼に対応しています。

北海道の地方物件では、都市部とは違った確認ポイントが出てくることも少なくありません。

北海道の物件調査・役所調査は「北の物調」へお気軽にご相談ください。

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