
ご依頼内容
- ご依頼内容:購入検討のための不動産価格・賃料調査
- 調査エリア:札幌市中央区
- 物件種別:区分投資マンション
- ご利用プラン:不動産価格調査
今回は、道外にお住まいの個人投資家様から、札幌市中央区にある区分投資マンションの購入を検討するため、売買価格と賃料水準を調べてほしいとのご依頼をいただきました。
投資物件を購入するとき、多くの方が最初に確認するのが「販売価格」と「表面利回り」です。
今回の物件も、現在の賃料をもとに計算すると表面利回りは11%超。
数字だけを見ると、魅力的な投資物件に見えます。
しかし調査を進めると、表面利回りだけでは判断できない、いくつもの重要なポイントが見えてきました。

調査のポイント
地下鉄「西18丁目」駅周辺は賃貸需要が期待できるエリア
今回のマンションが位置するのは、札幌市営地下鉄東西線「西18丁目」駅周辺。
西18丁目駅から札幌中心部の「大通」駅までは2駅と、都心へのアクセスに優れています。
周辺には札幌医科大学をはじめ、専門学校などの教育施設が集積しており、学生の賃貸需要が見込めるエリアです。
また、札幌医科大学附属病院をはじめ、病院、クリニック、医療関係施設が多いこともこのエリアの特徴。
学生だけではなく、医療関係者などの賃貸需要も期待できます。
投資マンションを検討するうえで、「将来的にも借り手を確保できる立地なのか」は、非常に重要です。
その意味では、西18丁目エリアは札幌市内でも一定の賃貸需要を期待できる地域といえます。

中古市場でほとんど売買されていないマンション
今回の価格調査で最初の問題となったのが、売買事例の少なさでした。
このマンションは分譲マンションとして建築されたものの、一般向けに販売された住戸はわずか。
当時の分譲会社の系列会社が多くの住戸を所有し、一括して賃貸運用していたという経緯があります。
そのため、中古マンション市場に売却物件が出てくること自体が非常に少なく、確認できる公表事例は過去20年間で6件程度しかありませんでした。
一般的な中古マンションであれば、
「同じマンションの同じくらいの面積の部屋が最近○○万円で売れた」
という成約事例が価格査定の有力な材料になります。
ところが、今回のように中古市場での流通量が極端に少ないマンションでは、それができません。
「比較できる過去事例がほとんどないので、販売価格が適正なのか判断できない」
ということが、今回ご依頼いただいた大きな理由の一つでした。
売買事例が少ない物件をどう評価するか
取引事例が少ないからといって、価格を判断できないわけではありません。
今回の調査では、確認できた過去の売買事例だけではなく、
- 周辺の投資用区分マンションの売買動向
- 面積・築年数・立地などが近い物件
- 現在の売出し状況
- 過去の価格推移
- 周辺の賃料水準
- 投資物件として期待される利回り
- 管理費・修繕積立金等のランニングコスト
- 現在の不動産市場の動向
などを複合的に調査しました。
そして北の物調の不動産価格調査では、ここで終わりません。

北の物調の価格調査は「データ+地元不動産業者へのヒアリング」
不動産の価格を調べる方法は、以前と比べて格段に便利になりました。
インターネット上にも売出し物件や過去の取引に関するさまざまなデータがあります。
しかし、データだけでは現在の市場を完全に把握することはできません。
そこで北の物調では、客観的なデータの分析に加えて、地域の不動産市場をよく知る地元不動産業者へのヒアリングを行います。
「このエリアでは今、どのような物件が動いているのか」
「このタイプのマンションなら、実際にはどの程度の価格なら買い手がつくのか」
「現在の賃貸市場では、どの程度の家賃設定が現実的なのか」
こうした現場の最新情報や需要動向を直接確認したうえで、査定価格を算出します。
つまり、
過去のデータ + 現在の市場 + 地元の不動産業者の生の情報
を組み合わせて判断するのが、北の物調の価格調査の特徴です。
「売るための査定」と「価値を知るための査定」は目的が違う
不動産を所有している方であれば、不動産仲介会社に査定を依頼する方法もあります。
無料査定を行っている会社も多くあります。
ただし、ここで理解しておきたいのが、査定の目的の違いです。
仲介会社にとって価格査定は、売却の媒介契約を獲得するための営業活動の一つでもあります。
そのため会社や担当者によっては、売主の期待を意識して高めの査定価格を提示するケースもあります。
もちろん、すべての不動産会社がそうだということではありません。
しかし、
「この価格で売り出しましょう」
という営業上の査定と、
「この不動産には現在どのくらいの市場価値があるのか」
を調べるための査定では、そもそもの目的が異なります。
北の物調は、売却の媒介契約を獲得することを目的とした価格調査ではありません。
だからこそ、売主側・買主側のどちらかに価格を寄せる必要がなく、第三者的な立場から実勢に近い価格を検討できることがメリットです。
特に今回のように、
「道外から札幌の物件を購入するが、提示されている価格が適正なのか知りたい」
というケースでは、客観的な価格調査を行う意味は大きいと考えています。

投資物件では「今の家賃」だけを見てはいけない
今回の調査でもう一つ重要だったのが、賃料の調査です。
投資用不動産では、
価格と同じくらい「いくらで貸せるのか」が重要です。
現在入居者がいるオーナーチェンジ物件の場合、購入後は原則として現在の賃貸借契約を引き継ぐことになります。
そのため購入直後の収入を計算するときは、現在の賃料を使うことになります。
しかし、長期的な投資判断ではそれだけでは不十分です。
重要なのは、
「現在の入居者が退去した後、次はいくらで貸せるのか」
という点です。
現在の賃料=将来の賃料とは限らない
長期間入居している部屋の場合、契約した当時と現在では周辺の賃料相場が変わっていることがあります。
例えば現在8万円で貸しているからといって、退去後も8万円で次の入居者が決まるとは限りません。
周辺の競合物件が増えていたり、建物が古くなっていたり、設備が現在の入居者ニーズに合わなくなっていれば、
次の募集では家賃を下げなければ入居者が決まらない
という可能性もあります。
そうなれば当然、購入時に計算していた利回りも下がります。
オーナーチェンジ物件では、「現在の賃料」と「退去後に想定される市場賃料」の両方を見ることが重要です。
今回も周辺の賃貸事例を調査し、現在の契約賃料だけではなく、再募集した場合に想定される賃料水準についてもレポートしました。

バブル期ならではのグレード感。しかし設備には弱点も
今回の物件は、バブル期に建築された投資用区分マンションです。
建物には当時ならではの仕様やグレード感があり、現在の一般的な投資用ワンルームマンションとは少し違った魅力があります。
専有面積も約30㎡あり、単身者向けとしては比較的ゆとりがあります。
一方、室内を細かく見ていくと、賃貸募集上の弱点もあります。
30㎡という広さに対して小さめのミニキッチン。
そして、現在の賃貸市場では敬遠されることもあるバス・トイレ・洗面が一体となった3点式ユニットバスです。
「30㎡もあるのに、この水廻りなのか」
という印象を持つ入居希望者が出てくる可能性があります。
築年数が経過した投資マンションでは、単純な広さだけではなく、現在の入居者ニーズに設備が合っているかという視点も必要です。
リフォームで賃料アップできるのか?
そこで考えられるのが、水廻りをリフォームして物件の競争力を高める方法です。
例えば、
「3点式ユニットバスをバス・トイレ別にする」
「ミニキッチンをもう少し使いやすいものに変更する」
といった改修ができれば、賃料アップや空室期間の短縮につながる可能性があります。
しかし、今回の住戸については、室内のレイアウトや水廻りの配置を考えると、大幅な変更は簡単ではないと考えられました。
リフォーム費用をかければ必ず賃料を上げられるわけではありません。
改修費用に対して、どの程度賃料を上げられるのか。
ここまで考えて投資判断をする必要があります。
表面利回り11%超。しかし管理費・積立金だけで家賃の約46%
そして今回、特に注意すべきポイントとしてお伝えしたのが、ランニングコストの大きさです。
現在の賃料と購入価格から計算すると、表面利回りは11%を超えます。
数字だけを見ると高利回りです。
しかし、このマンションでは管理費・修繕積立金の負担が大きく、その合計額は家賃収入の約46%を占めていました。
仮に毎月10万円の家賃収入があったとしても、管理費と修繕積立金だけで約4万6,000円が出ていくのと同じ割合です。
さらに実際の不動産投資では、
- 固定資産税・都市計画税
- 賃貸管理費
- 火災保険料
- 入退去時の修繕費
- 設備交換費
- 空室期間の収入減
なども考える必要があります。
つまり、
表面利回り11%超=毎年11%近く手元に残る
ということではありません。
大切なのは「実質的にいくら残るのか」
投資用不動産を見るとき、販売資料に大きく表示されている「利回り」に目が行きがちです。
しかし、本当に見るべきなのは、
家賃収入から必要経費を差し引いた後、実質的にいくら残るのか
という点です。
さらに今回のようなオーナーチェンジ物件では、
現在の入居者が退去した後の想定賃料
まで考える必要があります。
購入価格が安く、現在の表面利回りが高くても、
管理費・修繕積立金の負担が大きい。
退去後は現在より賃料が下がる可能性がある。
設備の競争力を高めるためのリフォームが難しい。
こうした要素が重なると、購入時に想定した収益性を維持できない可能性があります。
「表面利回り」ではなく「実質的な収益力」で判断する。
今回の調査では、この点についても依頼者様へお伝えしました。
調査ポイント|「価格が安いか」だけでは投資物件の価値は分からない
今回のように中古市場での流通量が極めて少ないマンションでは、過去の売買事例だけから適正価格を判断することは難しくなります。
だからこそ、
売買相場
賃料相場
立地と賃貸需要
建物・室内の競争力
管理費・修繕積立金
退去後の想定賃料
現在の市場動向
を総合的に調べる必要があります。
投資物件の購入で重要なのは、
「この価格なら買えるか」ではなく、「この価格で買って投資として成り立つのか」
を考えることです。
特に道外から北海道の収益物件を購入する場合、インターネット上の物件情報だけでは分からないことも少なくありません。
北の物調では、公開されているデータだけで価格を計算するのではなく、地元不動産業者へのヒアリングを加え、現在の市場を反映した不動産価格・賃料を調査します。
売却するための査定ではなく、
「購入を検討している物件の価格は適正なのか」
「この物件には実際どのくらいの価値があるのか」
「現在の家賃は相場と比べて適正なのか」
「退去後はいくらで貸せそうなのか」
を知りたい方のための価格調査です。
北海道の不動産購入を検討されている道外の投資家様も、購入を決める前の判断材料として「北の物調」の不動産価格調査をご活用ください。
収益物件の購入でお困りではありませんか?